大切な時計のために・・・防水性のこと

時計のトラブルで一番怖いのは“水入り”、ケース内部に水や湿気が入ってしまうことでしょう。場合によっては文字盤、針、その他もろもろが致命的な状態になりかねません。ご自身の時計がどの程度の防水性があるのかを理解して正しく使ってあげることはとても大切なのです。そこで時計の防水性についてご説明します。規格がどうのとかでてきますので、読むのが面倒だ!って方は最後だけ見ればだいたいわかりますので。

まず、時計の防水性能を表す『WATER RESISTANT』、『WATER RESIST』はJIS(日本工業規格)およびISO(国際標準化機構)の規格に基づいて表示しています。その分類がこちらです。DSCN4922

【JIS分類】

  • 1種防水時計・・・日常生活防水
  • 2種防水時計・・・日常生活強化防水
  • 1種潜水時計・・・空気潜水用防水
  • 2種潜水時計・・・飽和潜水用防水

一般的に日常生活防水は3、5気圧防水、日常生活強化防水は10、20気圧防水、空気(スキューバ)潜水用防水は100m~200m防水、飽和潜水用防水は200m~1000m防水の防水仕様の表示がされているものです。ちなみにJIS規格で『m』と表示できるのは潜水用だけです。(海外向け仕様、海外メーカー製品は異なる場合があります。)

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いまひとつどれ位の防水性なのかわからないですよね。それではそれぞれの防水性能、防水表示がどの程度で使用できるのかを個人的な見解も含めて例を挙げてみます。

◆3気圧、5気圧(3bar、5bar、WATER RESISTANTのみの表示)⇒汗をかいても大丈夫。でも汗っかきの人はちょっと注意。雨に塗れる位なら問題ない。でもゲリラ豪雨は微妙かも。手を洗う時に外す必要はないけど、かからないように注意してあげる。

◆10気圧、20気圧(10bar、20bar)⇒汗とか、雨とか、水に浸すくらいは全然平気。ボンベを使用しないダイビングや水に関係するスポーツでも大丈夫!と大概の説明書には書いてあるけど、あまりハードには使わない方が・・・。でも、G-SHOCKは別格。DSCN4921

◆100m~1000m(潜水時計)⇒使用方法を間違わずにメンテナンスをしっかりしていればよっぽどのことがない限り大丈夫。もちろんダイビングなんかに使っても問題ありませんが、海水に浸した後は真水で塩分をとってあげましょう。

◆非防水(表示なし)⇒水には絶対近づけない!

なんとなくご理解いただけたでしょうか??使用状況や経年劣化などもありますので全ての時計にあてはまるわけではないですが、ご自身の時計の防水表記は一度見ておくといいと思います。ちなみに夏場などに起きる現象で『ガラスの内側がくもってしばらくすると消える』のは内包湿度による現象で、水入りとは違うことがあります。

そして最後に。。。

【どの時計でもやめた方がいいこと】

  • お風呂に入る(サウナもです)
  • 水がついた状態でボタンなどを操作する
  • 直接蛇口から水をかける

防水性能に関係なくやめた方がいいです。そして色々ご説明しましたが、ビンテージ時計の場合は防水表示があっても防水性はなくなってますので非防水として使ってあげてください。DSCN4769

《参考資料》セイコーウォッチカタログ 他