Brand History ③アメリカブランド(ELGIN / BULOVA / WITTNAUER)

ELGIN

■かつてのエルジン社はウォルサムと並ぶアメリカの2大メーカーで、アメリカの巨大市場をこの2社でほぼ独占し、「時計製造のフォード」と呼ばれるほどでした。「エルジン・ナショナル・ウォッチ・カンパニー」の前身は1864年にイリノイ州シカゴ郊外のエルジンで設立された「ナショナル・ウォッチ・カンバニー」で、1874年に社名を変更以降、1960年代初頭まで同じ社名で製造を続けました。第一次世界大戦中はアメリカ軍に時計を供給しており、アメリカ軍初期のミリタリーウォッチには「ELGIN」と記載されたものが多数存在し、信頼度の高さがうかがえます。大量生産されていたエルジンの時計は、高級時計ではないものの、バラエティーに富んだ製品を手頃な価格で購入でき、また数多く出回ったために現在でも修理が可能な場合が多く、100年近く前のアンティーク時計やビンテージ時計を日常で使えるという魅力も生み出しているのです。

BLOVA

■ボヘミヤ(現在のチェコ)で生まれ、アメリカに移民してアメリカに渡ってきたジョセフ・ブローバが自分の名前を冠して1875年に小さな宝石商をはじめ、その後1923年にブローバ・ウォッチ・カンパニーと社名を変更します。ウォルサムやエルジンと違い、時計メーカーとしてのブローバは当初からスイス工場で生産をおこなっていました。1926年から開始されたラジオ放送で時計メーカーとしては世界初のラジオ広告をおこない、早い時期からイメージ広告の重要性を認識しシェアを拡大していきます。第二次対戦時にはアメリカ国内に完成していた工場を国防製品の製造に転換するよう命じられ、数多くの軍用時計も製造しています。様々なモデルの中でも1960年に発表した音叉時計「アキュトン」は時計ファンなら誰でも知っているブローバを代表するモデルです。文字盤側から中の機械が見える“スペースビュー”はアキュトロンの大ヒットに大きく貢献しました。音叉時計は現在では修理が難しく実用品として使える物を入手するのは困難ですが、ブローバにはアキュトロン以外にも個性的なデザインやかわいいデザインの機械式時計が多くありますので、自分に合った一本を探してみてはいかがでしょうか。

WITTNAUER

■1872年、すでに腕の良い時計職人だった16歳のAlbert Wittnauer がスイスからニューヨークへ移住し義兄のスイス時計輸入会社で働き始め1885年にその会社を引き継ぐと、スイス時計の輸入を継続させながらアメリカ人の好みに合ったテイストで、無垢素材使わず価格を抑えた高品質なWittnauerブランドを成長させていきました。Albert Wittnauerの死後、”A Wittnauer Company”は兄弟のEmile Wittnauerによって経営が続けられていきます。第二次大戦にアメリカが参戦した際には軍と連携し、コンパスや実験用タイマー、航空機時計の作成などを担っていました。1930~40年代頃にLongines-Wittnauer Watch Co. Incという単一の会社でアメリカに時計を輸入し、1950年代には両社で類似した製品を販売いしていたことからロンジンの北米向けのブランドと言われることが多いですがロンジン社とは別の会社で、2001年にはBULOVAに買収されています。