Brand History ①代表的な国産ブランド

SEIKO(1881年創業)

■『SEIKO』は1881年に服部時計店としてその幕を開けます。1913年には国産初の”腕時計”を完成させ、その他にも自動巻時計、150mダイバーウォッチなど数々の”国産初”を世に送り出してきたセイコー。その後、”世界初”のクオーツ時計を開発したのはあまりにも有名な話です。1956年に世界基準に追いついた初の国産時計とも称される「マーベル」が発売、それから約10年後の1967年にはスイスの天文台が主催するコンクールでセイコーが上位を独占し、その技術力が世界に認められました。独自のマジックレバー方式の自動巻上げ機構は現在でも普及機から高級モデルまで採用されており、その当時の高い技術力を象徴する一つではないでしょうか。実用時計の最高峰を目指し進化し続ける『グランドセイコー』が誕生したのが1960年。翌年にはそれに次ぐ高級ライン『キングセイコー』が発売、そして一世を風靡した『スポーツマッチクファイブ』が発売されるなど、60年代~70年代にかけて魅力あふれる様々な機械式時計が誕生しました。

CITIZEN(1918年創業)

■「世界の市民(シチズン)から愛される時計に」と名づけられたシチズンの社名。その名の通り多くの人々が手にしやすい価格で、様々なモデルが発売されていました。ただし品質に全く妥協は無く、1960年代に発売した『シチズンホーマー』は、その視認性の良さと性能の高さから鉄道時計として採用されました。その他のモデルでも、シチズン独自の耐震機構「パラショック」の耐震性能を証明するために地上30mのヘリコプターから落下させたり、防水性の実証のために特殊なブイに時計を取り付けて太平洋を漂流させたりと、ユニークなプロモーションで性能の高さを証明しています。1960年代には外周式ボールベアリングローター機構を備えたシチズン初の自動巻腕時計「ジェット」や、デイ・デイト付時計としては世界最薄だった「クリスタルセブン」、機械部分の厚さ2.75mmで世界一薄型の中三針式時計だった「ダイヤモンドフレーク」など個性豊かなモデルが数多く存在しています。

ORIENT(オリエント時計として1950年創業)

■オリエント時計の歴史は、1901年(明治34年)に吉田庄五郎が東京の上野黒門町に開いた吉田時計店に始まり、1950年7月に腕時計の製造メ-カ-として設立しました。 1950年代後半から積極的に海外市場に向けて腕時計作りをしていたため、中国、東南アジア、中近東、ヨーロッパ、アメリカなど、各地域のニーズに沿った個性的なデザインが多くあります。国内向けの製品も他社とは違った特徴的な時計が多く、中でも100石を使った「オリエント グランプリ 100」や1964年の東京オリンピックを記念して作られた「オリエント グランプリ 64」、40年間の日付・曜の一覧が可能な「万年カレンダー」などが有名です。オリエントは個性的な機械式時計を復刻させ数多く製造していますが、当時のデザインのほうがより強烈なインパクトを感じます。2017年には親会のセイコーエプソン株式会社のウエアラブル機器事業の成長の為、オリエント時計の国内販売事業はエプソン販売株式会社に承継されました。