#1 20年近く前のG-SHOCK

店主だからとスタッフブログを最初に書くという大役を任されたもののビンテージ品や時計について語れるほどの者ではないし、「店主」なんて肩書きだけは立派だけれど、そもそも大したことも出来ないし、大した知識も無いし、大したスキルもないし、そして元々アンティークウオッチの店に勤めていた訳でもなく、普通の時計の販売の会社の修理見習いとして就職する前は25歳の終わりまでアルバイト生活でプラプラしていて、その最後のアルバイトがボウリング場のメカニックという響きだけは立派な仕事だったのだけれど、さらには上が辞めていなくなったからメカニック隊の「隊長」という肩書きまでついて、これがまた大した知識もスキルも無いくせに少数派の変な意地と無意味なプライドだけはあったせいで、ホールとキッチンとか、現場と本社とか、営業とアフターサービス部門とかと同じような理由でフロア担当の人たちと上手くやれなくなってきて、加えてそろそろちゃんと就職しないと生きていけないんじゃないかという不安も大きくなって来た時でもあり、なんにせよバイトを辞めることになった時にはそんな事だからみんなが参加してくれる送別会なんてものはなくて、ただメカニック隊の隊員というかいわゆる後輩だった二人だけが最後に小さなお別れ会みたいな飲み会をやりたいからと三人でチェーン店の居酒屋に行くと、送別品だという赤いG-SHOCKを用意してくれていて、あまりお金に余裕のないその頃は今以上に時計なんてものは高くて手に取りにくいもので、それはアルバイトの身ではなおさらだったし、今から考えたらそれ程高価ではないかも知れないG-SHOCKであってもすごく嬉しかったのはもちろんのこと、よく聞けば他のみんなからもお金を集めて買ってくれたらしく、それはとにかく色々な事が詰まった時計になっていて、だから時計というのは値段とかブランドじゃなくてそうゆう事が詰まった大切なものになるとゆう事が割と強く頭にあって、他の人からみたら大したことのない誰にでもありそうな小さな話だけど、でも今のお店や仕事に少なからず関係しているのであろう事なんかを交えながら書いていこうかなと思案していて、ふと、そういえばあのG-SHOCKはどこにしまったんだっけな、最近は全然使っていないな、そもそも電池交換もしていないな、恐らく止まったままだけれど見つかったところで果たして動くのかな、電池が液漏れしてたりしたら大変だな、「ちょっと、お母さんあれどこにしまった?すごい大切な時計なんだけど!」みたいなことになったけれど無事に見つかって動いた『20年近く前のG-SHOCK』の話から始めます。