一般的なクオーツ時計に使われている電池のほとんどは酸化銀電池とリチウム電池です。そして酸化銀電池は「銀」を取り出して再利用するためもあり、使わなくなった電池は廃棄電池用ボックスに集めて専門の業者に依頼して回収してもらいます。

先日、修理作業をしているとその電池ボックスから「パンッ！」と何かが弾けるような大きな音が！

何事かとボックスを開けてみると・・・、なんと電池が爆発していました！！

「海外製の安い電池が破裂することがある」という噂を聞いたことがありましたが実際に目の前で起こるとは・・・。時計の中で破裂すれば当然壊れるでしょうし、電池交換の作業中に起きたらもっと大変なことになります。想像するだけも恐ろしいことです。

なぜ海外製の安い電池でこんなことが起きるのかを調べてみるとこんな理由のようです。

以前の酸化銀電池には電池膨れなどの原因となるガスの発生を抑えるためにごくわずかに有害な水銀を使用していました。しかしソニーが水銀などを含まず環境にも優しい「無水銀電池」を開発し、現在の日本製電池の主流となっています。（詳しくはSONYホームページ「電池と水銀」に記載されています）

それを真似て「無水銀電池」を製造している海外品の安価な電池で、電池膨れ、液漏れなどが起こり場合によっては破裂する事故が起こっているようです。

近ごろでは食品の異物混入のニュースをよく目にしますが、普段見えないところにこそ信頼が必要なのは時計でも食品でも同じですね。当店で使用している電池は当然、信頼出来る物だけです。（過去の投稿：「見えないこだわり　電池編」）