<141118-603>SEIKO Cronos

  • 手巻 / Cal:- / 振動数:18000 / 精度: ±60s/day
  • Ser/Ref :3271334 / J15009
  • ケース:36.5mm
  • バンド:18mm ブラウン・カーフ (HIRSCH/Osiris)
  • 製造年:1963年
  • 状態:△・・・文字盤劣化・ケースメッキ多少傷みあり。風防交換済み。
  • 第二精工舎諏訪工場製の大ヒット商品「Marvel」に対抗して作られた、亀戸(第二精工舎)工場の「SEIKO Cronos」です。戦後、セイコーの時計を製造する工場(会社)は二つあり、一つは戦争で疎開していた工場を集約した亀戸工場(第二精工舎)、もう一つは「東洋のスイスを目指したい」という地元の要望で疎開先の諏訪に残った第二精工舎諏訪工場で、同じセイコーブランドの中で別々のモデルを製造し、ある部分ではライバル的な関係で競いながら新製品を世に送り出していました。諏訪工場には代表作として国産腕時計に多大な影響を与えたマーベルがありましたが、亀戸工場はレディース時計には強かったもののメンズ時計では遅れをとっていました。そこでマーベルを凌ぐ腕時計を開発しようと亀戸工場スタッフが立ち上がり製造したのが「クロノス」です。マーベルに比べムーブメントを0,4mm薄くし、チラネジ無しテンプにすることで軽量化、またテンプ受けには耐震装置を備えた後発ながら完成度の高い機種になりました。このマーベルvsクロノスはこの先に諏訪vs亀戸の構図となり、良い意味での同メーカー内での競合が後のセイコー製品を世界に通用する製品に押し上げていく原動力となります。余談ですが、時を司る神の意味の「クロノス」ですが、正しいスペルは「CHRONOS」でありクォーツ時計で発売された時に正式スペルに変更されたようです。21石を使用したこの時計はクロノスの中で準高級ラインにあたるのですが全体の雰囲気や風格は高級機のようです。金色ケースに少し傷んだ文字盤がシャンパンゴールドのような色味となり、そこに筆記体で書かれたブランドネームとドーフィン針も一味加えています。さらに光沢のある高級イタリアンカーフを使用したHIRSCH社製・Osirisの濃い目のブラウンベルトが全体を引き締め上品さを出しています。(F)
  • 35,000円(税別)  SOLD OUT