#14 あったかいもの

本日よりスタートの、馴染みのお客さまがコレクションしていたフィルムカメラをお預かりして販売する〈クラシックカメラSale〉第五弾に合わせて、前回からスタッフみんなでフィルムカメラを使って撮影した写真を展示することにしていて、今回は「あったかいもの」をテーマに写真を撮って展示してみようということになったのだけれど、自信をもってお見せできる写真が撮れるほどのスキルはなく、それならば何かストーリーのある写真にしてみようと、自分の父親が実際に40年前に使っていたフィルムカメラのオリンパスOM1で、実家で大事に保管してくれていた40年前に自分が着せられていたセーターを今の自分の子供に着させて、タイムスリップというか、タイムシフトいうか、タイムラグというか、タイムなんとかというか、そんなことで撮ってみて、もちろんデジタルではないどころか電子部品無しで動く機械式のメカニカルカメラはフィルムを入れれば何の問題もなく使えるし、思い出される当時の写真はだいたい縁に白い余白が有ってそれを父親が専用のカット台で裁断して、さらにそれを配置や順番を考えながら一枚づつアルバムに貼り付けていて、そしてカメラもアルバムもとにかく重くて大きくて、今からすれば写真を撮るのも写真を撮った後もすごく面倒な作業だと思うけれど、でもそうゆう手間のかかる事は出来不出来とは関係なくその時の記憶と一緒に強く残りそうな気がして、だから時計もカメラも機械仕掛けのものが大事にされて今でも生き残っているのかもしれないけれど、新しく便利なものがあるからこそ当時は手間でしかなかったことを逆に楽しむ余裕ができているのも確かで、フィルムで撮ったものをデータ化してPCに取り込んでお店にある家庭用のプリンターで印刷できるからスタッフ写真展なんかも気軽にできるのだけれど、ただ、まだみんなの写真が出揃っていないからとりあえず自分の写真を一枚飾った。